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明らかになった腰痛の新事実!腰痛とストレスの関係

2017.06.09 | Category: 未分類

精神的ストレスで発症する腰痛

慢性的な腰痛の症状をお持ちの方は、ストレス、不安、恐怖感や鬱などを感じていたり、持病としていたりすることが良くあります。これを「心因性腰痛」といいます

今回はこの心因性腰痛について、原因や特徴、発症しやすい傾向にある人などについてまとめました

1.近年明らかになった様々な腰痛の原因

腰痛に関しての研究は100年以上前から行われてきました。その中でも一般的には、筋肉、関節の損傷や疲弊による痛みが主な原因であるとこれまでは考えられていました。
いわゆるケガや腰の使い過ぎによる ものや、姿勢、体の歪みなどがこれにあたります。病院でも、検査の対象は主に筋肉や骨の状態で、画像件診断や筋肉の状態に焦点を当てて腰痛の検査と診断を行うのが当たり前でした。その結果、腰痛の患者さまのほとんどの腰痛の原因を特定できず

「歳のせいですよ」

「薬を飲んで安静にしておけば大丈夫」

と明確な異常が見受けられない場合には医師でもどうすることも出来なかったのが実際のところです

 

しかし、最近の研究によると腰痛の原因は単純な筋肉や関節の異常だけではないということがわかってきており、様々な腰痛の原因となる要因がわかってきています

①筋肉や関節の損傷による痛み

②神経症状を伴う痛み

③精神的、社会的ストレスによる痛み

④内臓の病気による痛み

4つのうち一つだけが原因となっていることもあれば、複数の要因によって腰痛が起きている場合もあります
特に近年の日本では③の精神的なストレスが原因で起こる腰痛が多くなってきているといわれています
ストレスにより痛みを感じやすくなっていた入り、発症した痛みがなかなか引かない状態になるのがこの腰痛の特徴です

そしてこの4つの腰痛の原因が絡み合うことで、腰痛の診断をより複雑にしてしまっているのです

原因不明の「非特異的腰痛」とストレスとの関わり

実は整形外科などを受診して骨や関節に異常が明確に見つかり、正確な診断を下せることはほとんどありません
痛みを感じてレントゲン検査やMRIをとっても、はっきりした病変が見つかるものはわずか15%しかないというのが実際の所です。つまり85%は明確な原因が特定できず、診断や治療もあいまいになってしまっているということです。逆に骨や関節に病変がある方でも、70%は症状が全くなく、画像診断の有効性が近年では疑問視されていることもあります。こうした原因不明の腰痛のことを医学的に非特異的腰痛と呼び、病院ではその症状によって坐骨神経痛や腰痛症と診断されています

腰の筋肉疲労や、腰の捻挫とよばれるぎっくり腰なども非特異的腰痛に分類されますが、詳しい原因がわからない事例がこれほど多いのは、腰痛の原因の多くにストレスが深く関係しているためだといわれています。

近年の研究結果では、現在いる腰痛患者の60%以上が精神的ストレスを原因とする腰痛を抱えているという報告もあります。

ストレスが腰痛の診断、治療を複雑にしてしまう

上記に挙げた腰痛の4つの原因の内、個人によりどの原因が最も大きいのか、その比率は様々です。なかには慢性的に痛みが感じることがストレスとなって悪循環しているケースもあります。
精神的なストレスによる要因が大きい割合をしめている腰痛ほど、診断が難しく正確に判断しずらいものになってきます。またストレス性の腰痛が混在することで、急激強いな痛みやしつこい痛みの原因となることもあります

例えば、ヘルニアを一つの例に挙げると

①椎間板の異常により発症、周囲の筋肉、関節へのストレス

②椎間板から飛び出た髄核が神経を圧迫

③ストレスや不安感が積もることで余計に痛みを増幅させてしまっている。さらに痛みが出ることによるストレスの悪循環

など、上記の4つの原因の内3つを満たしてしまうことも考えられます
ではなぜストレスがあると痛みを余計に感じてしまうのでしょうか?

2.ストレスと痛みの関係について

ストレスで腰が痛むはずがないと思うかもしれませんが、心の不調が体の不調として現れるのはよくあることです。実際、心理的な要因によって特定の臓器や器官に身体的症状が現われる病気は「心身症」と呼ばれています。
また、「病は気から」という言葉があるように、その人の気持ちの持ち方や、その時どきの心理状況によって、症状が良くなったり悪くなったりするのも決して珍しいことではありません。

続いてストレスが痛みを引き起こすメカニズムについて解説します。

① 痛みを抑える働きが弱まる

体の組織が損傷した時、痛みの信号は神経を伝って脳に伝わりますが、人間の脳にはこの痛みの信号を抑制するシステムが備わっています
このシステムを下行性疼痛抑制系といい、通常は日常生活で痛みが発生してしまった場合はこの痛みが強くならないように制御してくれます。健康な人ほどこの制御が行われるため、急に炒めてしまった場合や怪我をしてしまった場合でも日常生活に支障が出ないようにしてくれています

しかし長い間何かしらのストレスや不安を感じ続けていると、その抑制する機能が弱まってしまい痛みをコントロールすることができなくなてしまいます。
例えば、腰が疲れた時のだるさや重さなど、普段なら痛みとして認識しないものが大きな痛みに変わったりします。

また過剰にストレスが蓄積してしまうと痛みの抑制機能だけではなく、自律神経系の異常もきたしやすくなってしまいます。自律神経が過敏になると、痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも強い痛みを感じるようになります

② いろいろな病気のになりやすくなる

過度の不安感やストレスが原因で起きる疾患も沢山あります

胃潰瘍や不眠症など、多岐にわたるものです
このようにストレスや不安感は腰痛など痛みだけではなく、内臓系や生活習慣病にも関連してくることがいえます

1.自律神経失調症

強いストレスを受け続けて自律神経のバランスが崩れると、腰痛をはじめとする様々な不快症状が出てきます。これを「自律神経失調症」といいます。自律神経は全身に細かく張り巡らされ、体の正常な働きをコントロールしているものです。例えば消化や排泄、睡眠、体温や発汗、代謝など様々な体の機能に関係します。

自律神経には、体を活発に動かして、心身が緊張した時(ストレスがかかる時)に優位になる「交感神経」と、休憩したり眠気を感じたりと、心身がリラックスしている時に優位になる「副交感神経」があります。この2つの神経がバランスよく働いていれば体は健康な状態に保たれます。
ところが仕事や家事で頑張りすぎてストレスをため、十分に休息も取らない状態が続くと、自律神経のバランスが交感神経にばかり傾いてしまい、体のあちこちに不調が出てきます。

2.内臓の病気、身体の病気

ストレスが原因となりうる病気の中には、腰痛の症状が見られるものがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃下垂、胆石症、胆嚢炎、大腸がん、腹部大動脈瘤、帯状疱疹、骨粗しょう症、月経困難症、月経不順など

3.生活習慣病

人は、心身に大きなストレスがあると、それを解消しようと暴飲暴食や過度の飲酒・喫煙に走りやすい傾向があります。生活習慣が乱れ、運動不足も重なると肥満につながります。ここに更にホルモンや自律神経のバランスの崩れも加わり、糖尿病、心臓病、脳卒中、高血圧、内臓脂肪型肥満などの生活習慣病が発症します。その結果、先に述べたような腰痛の原因となる内臓の病気を合併する危険性が高まります。

③ 思い込みによる痛み

人間は頭で想像したことが実際に体に影響したり、感じたりするようになることがあります。
これはトラウマにも似ている上rたいですが、痛々しい場面を見てしまったり想像していると、その場面が心に残りいつまでも頭から離れなくなってしまいます。これは脳で記憶をつかさどる「海馬」という部分と、恐怖などの感情をつかさどる「扁桃体」という部分に密接な関係があり、互いに影響しあっているためだと言われています。そして不安やストレスなど、心に大きな問題を抱えている人ほど、この作用が強まる傾向があります。

必要以上に痛みに意識を囚われてしまったり、気にしすぎたりすると余計に痛みを強く感じてしまうことがわかっています。さらに痛みが気になってきて、その痛み自体がストレスになってしまう悪循環になってしまうのです。痛みのために活動量が減ってしまい、余計に痛みを機にするようになり、ストレスが・・・

という痛みのスパイラルにはまってしまう方も少なくありません。

こうした理由から、過去につらい腰痛を経験し、さらに心の問題を持つ人ほど腰痛が悪化・再発しやすく、慢性的な腰痛に陥りやすいのです。

3.心因性腰痛の特徴

症状について

ストレスや不安などの「心理・社会的要因」が絡んだ腰痛には、以下の様な特徴が見られます。

痛みの原因がはっきりしない

病院で検査をしてもはっきりと原因がわからい
れんとげん写真やMRIをとっても筋肉や骨格には全く異常が見当たらないため、診断名も曖昧になってしまう

薬やリハビリなどの治療をしても効果が得られない
腰痛以外の症状がある

手術やいろいろな治療法を試しても痛みが変化せず、改善したとしてもすぐに戻ってしまう
腰だけでなく、頭、首、肩なども痛んだり、肩こり、不眠、胃の不快感、吐き気、動悸など、全身のあちこちに不調がみられることが多い

痛みの特徴

痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが変わる
日によって痛む場所が変化したりする

複数箇所痛んだり、急に違うところが痛くなったりする。

痛みの増減が激しく、痛みの種類もその時によって変わってくる

姿勢や動作に関係なく痛む
前かがみや体を反らせた時に痛んだりするのがよくある腰痛の症状の特徴ですが、ストレスによる腰痛の場合は動作により誘発されることはなかなかなく、常に痛かったり、不定期的に痛かったりと症状は様々

腰痛が長期間続く
半年以上しつこい痛みが続き、一度治まっても度々再発するなど、腰痛が慢性化している

疲れが溜まったり、ストレスを感じたりすると症状が悪化してきたりする
腰痛は一般的に一日腰を動かして疲労がたまる夕方頃に痛みが強まる傾向があるが、うつの症状は朝から午前中にかけて症状が強く現れ、午後から夕方にかけて和らぐ。腰痛もそれに連動して起こるため朝方の腰痛が多くなる

こうした特徴が多く当てはまるほど、腰痛に心理的要因が関わっている可能性が高いです。

慢性腰痛に多い

腰痛は”痛み方”や”痛みが続く長さ”によって「急性腰痛」と「慢性腰痛」に分けられます

 
3か月以上腰痛が続くものが慢性腰痛で、心因性腰痛は慢性的な腰痛によく見られます。

EUが2004年に発表した「慢性腰痛の治療ガイドライン」によると、慢性腰痛の患者の1/3に、痛みの原因として「強いストレスなどの精神的問題」、「うつ症状」、「薬物乱用」の関与がみられたということです。また、慢性腰痛の患者の約80%に「抑うつ状態」(うつ病になりかけの状態)が確認されたとの報告もあります。
これは、ストレスなどの心の問題が腰痛を長引かせる大きな要因となるからです。

慢性化のカギはストレス

急性腰痛の90%は自然に治るといわれます。ぎっくり腰程度なら1~2週間、その他の腰痛でも1ヶ月もすればたいぶ良くなります。しかし残りの10%は腰痛が3か月以上続き慢性化してしまいます。

急性腰痛が慢性化する原因として、骨や椎間板の変性が進んでいて治るのに時間がかかったり、内臓の病気が関係しているといったこともありますが、それよりもストレスなどの心理・社会的要因がかなり深く関わっていることが数々の研究データから明らかにされています。
前述したように、心の不調は痛みを増大させます。原因が精神的なものであることに気付かずに腰の治療ばかり行っていても、心の問題が解決されない限り完治することはなく、長引く痛みによってどんどん精神的に参っていき、更なるストレスによって腰痛をますます悪化させるという悪循環に陥ります。
また、腰を過保護にしすぎるのもよくありません。安静にしすぎて寝てばかりいると、気持ちがふさぎ込んだり、痛みに意識が集中してしまって新たなストレスとなります。
こうして本来なら自然に治るはずの急性腰痛をこじらせ、慢性化する確率が高くなるのです。

急性腰痛の原因となることも

心因性腰痛は慢性腰痛に多く見られますが、逆にストレスなどが原因でぎっくり腰のような急性腰痛が起こることもあります。

4.こんな人に発症しやすい

心因性腰痛は、ストレスや不安などの心理・社会的要因を持つ人に発症します。

◆社会的要因

【職場環境】

職場の上司や同僚との人間関係がよくない

仕事の内容や収入に対する不満がある

仕事が忙しく休みが少ない、労働時間が長い、夜勤が多い

【家庭環境】

家庭内で人間関係がよくない(夫婦仲が悪い、嫁姑の問題、子供の反抗)

子育てや受験に対する悩みや不安がある

子供の頃に肉体的、精神的、性的虐待を受けていた

【その他】

腰痛以外の痛みや持病がある
例えば頭痛、ひざ痛、肩こりなど。また、うつ病、不安障害などの精神的な病気

◆心理的要因

【痛みや医療に対する考え方】

医者や医療に対して不満や不信を持っている(医療不信)
→診断結果や治療法に納得できない
→すぐに治療の効果が出ないと満足せず、短期間で病院を転々としたり、色々な治療法を片っ端から試す

痛みに対する不安、恐怖、思い込みが強い
→腰を過保護にしたり安静にしすぎている。その結果、運動不足になっている
→腰に悪そうなことは全て避け、趣味など好きなことをするのも我慢している
→原因がわからなかったり症状が良くならないととても不安で、「自分の腰痛は○○が悪いせいだ」などと思い込む
→痛みのことばかり考え、自分の腰痛は治らないのかも、と悲観的になっている

痛みや医療に対する強いこだわりがある
→痛みが完全に消えないと治ったとはいえない
→手術をすれば必ず治る(手術をしていないから治らない)
→原因がわからないのは詳しい検査をしていないため

痛みを大げさに表現してしまう
→普通に動けるのに死ぬほど痛いと言ってしまったりする

【性格・気質】

完全主義やこだわり性である(何事にも手を抜けず頑張りすぎてしまう)

短気でイライラしやすい。頑固で偏屈。融通がきかない

悲観的で小さなことでクヨクヨしやすく、悩みを抱え込んでしまう

神経質で些細な事を気にしてしまう

他人の評価や人目が気になり緊張しやすい(自意識過剰)

生活環境や気候の変化があると体調を崩しやすい

◆鬱(うつ)の症状がある

精神疾患である「うつ病」や、うつになりかけの「抑うつ」状態の人に腰痛がみられる場合、その多くが心因性の腰痛です。
以下の症状に多くあてはまる人ほど、うつ状態になっている可能性が高いです。

不眠(なかなか眠れない、目覚めるのが早い)
うつのタイプによっては、眠りすぎてしまう「過眠」がみられることもある

しばしば憂うつな気分になる

何事に対しても興味がわかず、やる気が起きない(無気力・無関心)

理由もなくイライラや焦りを感じたり泣きたくなったりして感情が抑えられない(情緒不安定)

正常な判断ができなくなる

人の話を理解できなかったり、伝えたいことをうまく表現できない(言語障害)

突然異常な行動をとることがある

食欲や性欲がなくなる

こうしたの症状の強さが時間帯によって変わり、特に朝がつらい

【参考】

腰痛とストレスの関わりが分かるチェックシート(BS-POP)

5.診断と治療

◆診断

心因性腰痛症には診断の決め手となるようなはっきりした症状がないため、問診による聴き取りの内容が重要になります。
「職場や家庭における悩みやストレス」、「うつ病が疑われる症状」、「長期にわたる慢性的な腰痛」、「腰痛以外の症状」、「医療不信」、「痛みに対する悩みやこだわりが深い」などが診断のポイントです。

腰痛は誤診が多い

心因性腰痛はストレスなどの心の不調が原因であるため、画像検査では腰に異常が見つからないことが多く、腰の疲れによる痛み(腰痛症)などと誤って診断されてしまいがちです。画像検査で何らかの異常が見つかったとしても、痛みの根本的な原因ではないため異常箇所を治しても痛みが収まらず、原因不明の腰痛とされてしまうようなケースが多いのが実情です。

もっとも重要な「問診」

心因性腰痛を正しく診断するのに最も重要なのは「問診」、つまり症状の聴き取りです。
実は腰痛のほとんどは、”問診”と”触診”を時間をかけてしっかりと行うことで、かなり正確に原因を推測することが可能です。
腰や足の痛み方、痛む箇所、痛む時間帯、痛み始めたきっかけ、どんな姿勢をとると痛むのかまたは和らぐのか、痛み以外の症状、これまでの病歴など、事細かく確認して原因を段階的に絞り込みます。更に痛む箇所を押してみたり、特定の姿勢から足を動かした時の反応や歩く状態をみたりと、触診や視診、理学検査などを組み合わせれば、より詳しく痛みの原因を絞り込むことができます。
また、しっかりと問診をしてもらうことで患者が満足感を得られ、色々な話を聞いていくことで患者との信頼関係を構築することができるといった利点もあります。

<充分な問診を行うには課題も多い>

問診で精度の高い診断を行うには、腰のどういう異常がどんな痛みを引き起こすのかといった知識が全て頭に入っていて、なおかつ実際に患者の状態を見て判断できなければいけないので、相当経験豊富な医者でないと難しいでしょう。また、患者の症状だけでなく心の問題を探るため、色々な質問をしながら少しずつ心や頭を解きほぐしていき、家庭内の事情や患者の過去などの込み入った話まで聴き取る必要があります。そのため十分な問診には30分~1時間くらいの時間がかかります。なかなか打ち明けてもらえなかったり、ストレスが原因のはずがないと思い込んでいる場合も多く、患者と医師の信頼関係を築くために幾度も問診を重ねながら、腰痛の原因となっているストレスを突き止めていきます。
ところが実際には1人の患者にそれほど多くの時間をかけられないため、症状を確認するだけの数分間の簡単な問診で終わってしまうケースが多くなります。

原因不明の腰痛には高い確率で心理・社会的要因が関わっているため、心因性腰痛の可能性があるという前提で診断を行う必要があります。患者本人も全て医師に任せるのではなく、積極的に協力して一緒になって原因を探っていくという心構えが大切です。